クリスマスを考える

氷辻と華呼

氷辻　「何を考え込んでいるの？」

華呼　「もうじきクリスマスですね」

氷辻　「それが？」

華呼　「男の子って、何をあげたら喜ぶんでしょう」

氷辻　「！？」

華呼　「…どこへ電話するんですか？」

氷辻　「華さんのお兄さんに報告しないと」

華呼　「や、やめてください！　すごい騒ぎになっちゃいますっ。
　　　　　本当にっ、大変なんですよーっ」

氷辻　「…冗談よ。大げさな」

華呼　「…そうじゃなくて。
　　　　　ほら、お誕生日にプレゼントをもらっているので、お返しをするチャンス、と思ったのですが。
　　　　　男の子はおろか、お友達にプレゼントしたこともあんまり…
　　　　　それでも女の子は漠然と、こんなのが良いかな、とか想像するんですが」

氷辻　「寮暮らしの方なら、普段使えるものとか便利かも」

華呼　「なるほど！
　　　　　……石鹸の詰め合わせとか、タオルの詰め合わせとか、ティッシュ５パックとか？」

氷辻　「……華さん、方向をすごく間違えている…。
　　　　　何か雑貨とかで、日ごろの役に立ちつつも、少し遊びを入れると良いのよ」

華呼　「えっと…黒酢とかですか？」

氷辻　「それは一体どーいう発想しているのよ！？」

華呼　「だ、だって、自分ではなかなか買わないけれど、あったら便利じゃないですかっ。
　　　　　それに健康にもとても良いですしっ」

氷辻　「そもそもあなた、指輪もらったんでしょう。
　　　　　指輪のお返しに黒酢って変だと思わない！？
　　　　　そのお歳暮的な発想から抜け出しなさい！」

華呼　「だって本当に男の子へのプレゼントって思いつかないんですものーっ。
　　　　　変なものあげて、変な子だと思われたらどうしたらっ」

氷辻　「………何をいまさら…（やれやれ）」